2021年03月03日

令和3年3月3日桃の節句〜黒澤明監督の映画『夢』(1990年)

本日は令和3年3月3日。「桃の節句」に連想する映画といえば...
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黒澤明監督の映画『夢』(1990年)です。オムニバス形式の第二話「桃畑」に登場するお雛様たちの緊張感に溢れる舞踊シーンはまるで白昼夢のよう。幼少期に観たらトラウマになりそうな荘厳で奇怪なこの美しい光景は生涯忘れられません。
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映画『夢』は全8話で構成されたオムニバス作品。その中でも傑出した怪作が「トンネル」です。黒澤映画では初の(?)ホラー描写もさることながら、戦争で犬死にした者の無念、生き残った者の罪悪感、心理的に迫る描写と恐怖感はハンパなく、雪深い悪天候下での過酷な撮影が無事に終わった時には、黒澤明監督が「撮れた」...と涙をこぼした大林宣彦監督のエピソードは有名です。
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第7話の「鬼哭」では、原爆投下で焦土化した地獄にて、放射能で人が変貌した異形の姿「鬼」の役を演じたのは、コメディアンのいかりや長介氏。
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いかりや氏が俳優として第二のキャリアを踏み出すきっかけになったとも言われた作品「鬼哭」は、奇しくもドリフターズのコントで演じていた鬼(雷様)役でした...以上、黒澤作品の中でもいわゆる"カラー時代"に撮られた異色作ではありますが、年に一度は観返したくなる傑作でした。


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