2015年07月28日

青森県黒石市温湯温泉(1)〜大館市こけし工人今晃さんを訪ねて

7月の三連休を利用して、青森に秋田と東北を旅してきました。
上野駅から新幹線に揺られること3時間20分ほどで新青森駅に到着。
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JR新青森駅の美しき外観。
朝晩は肌寒く、関東に比べたらまだまだ快適な気候です。
みちのくの風景、人々の方言など、人生初の津軽来訪に目や耳に入る現象全てが新鮮に感じました。
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駅構内では津軽名物ミニねぷたのお出迎え。
ミニねぷたで騒いでますが、この後「ねぶたミュージアム」で圧巻の体験をすることに。
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小雨がちらつく中、レンタカーを走らせること約1時間で黒石市に入りました。
青森県のほぼ中央に位置し、八甲田山麓に清らかな水源をいただく里山、黒石市。
黒石温泉郷は、温湯(ぬるゆ)、落合、板留、青荷、大川原と個性ある名湯が集合した温泉郷です。
山々に囲まれた土地は空気が澄んでいて深呼吸をするとほのかに草の香りがしました。
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黒石市の観光名所「津軽こけし館」に到着。
外観は国指定重要文化財となっている江戸時代の商家と「こみせ」をイメージした建築です。
イベント初日のため県内外からの観光客で館内は賑わってました。
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津軽こけし館の敷地内にある津軽伝承工芸館のレストランで昼食。
太平麺と甘辛いソースが特徴の黒石名物「つゆ焼きそば」を注文してみました。

二階こけし資料館では、盛秀太郎、佐藤伊太郎、斎藤幸兵衛など古津軽こけしを鑑賞。
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津軽地方のこけしは、昭和初頭にようやくその曙光を迎えた。温湯では盛秀太郎、大鰐では島津木工所に属する工人達が、グルーミーではあるが、反面極めてバイタリティーに富んだ人形たちを盛んに作った。当時の津軽地方は、極めて封建的、閉鎖的な気風の中に、奇妙な開放的な一面があって、これらのこけしは、そうした風土性を強く現していたと言えよう。(『木の花』10号 連載覚書 斎藤幸兵衛こけしより)
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グルーミーでいてバイタリティーに富み、閉鎖的いて奇妙に開放的、盛秀や幸兵衛の長おぼこも製作された当時は新型あるいは創作こけしだったため伝統論とは別の観点で考えれば、そのアンビバレンツな(相反する)性質の中に古津軽としての魅力が隠されているのかもしれません。

津軽こけし館の手前にある落合大橋にて、盛秀こけしのモチーフを発見。
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橋下には南八甲田の櫛ヶ峰を源流とする浅瀬石川が流れます。
津軽木地業の二大源流、温湯温泉の木地師で津軽こけし先駆者の盛秀太郎氏が去った現在もそのこけしの意匠は観光地のあらゆる場所に残ってました。
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青森県内最大規模を誇る「虹の湖」に隣接する「虹の湖公園」。
こちらでも盛秀こけし型の特大すべり台を発見しました。
津軽の水瓶と呼ばれる浅瀬川ダムを望む神秘的な霧に包まれた景色は神々しくも絶景。
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土地の広さも相まって津軽では全てのスケールが大きく感じました。
そして、盛秀こけしの意匠といえばこんな処にも...
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盛秀三代目盛美津雄さんが手掛けた黒石市内にある食堂のメニュー看板は、
KOKESHIEN!の葛城さんから紹介いただきました。
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時代(物価)は変われど盛秀こけしの意匠は普遍です。
黒石温泉郷を一通り観光した後は、秋田県の大館市に向かいます。

前略Kさんこと、今晃さんの工房兼ご自宅を訪問しました。
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【木地】 素材の選定法、刃物の選定・製作法、木地挽きの時間帯・場所
【描法】 筆の持ち位置、草書体の描法、顔描の描き順、本当に左手を使うのか?描彩の時間帯・場所
【道具】 筆の種類、染料・顔料の種類、入手方法、調整・使用方法など
【二人挽き轆轤】 自作ロクロの製作法、木地挽き方法、新技法のロクロ返しについて
【鳴子時代】 修行中のエピソードなど
【大湯時代】 奈良靖規、三人目の師大類連治について、治一型ラグビーこけしを作らない理由
【頒布歴】 おおき、つどい、木ぼこ、今晃ファン倶楽部など、過去〜現在の頒布について
・昭和53年頃より製作開始した本人型、ロウ掛けを止めた理由について
・昭和53年刊行『木の花』16号(戦後の佳作 北村勝史)で紹介された時の反応
・過去〜現在の自身の作風の変化について
・津軽系こけしについて(盛秀太郎、斎藤幸兵衛、佐藤伊太郎、戦後の津軽系こけし工人)
・今晃さんご自身の好きなこけし、戦前のこけし、現在のこけしについて思うこと
・雑誌など各種メディアや訪問者のブログなどで描かれる今晃像について
・好きな映画について(鳴子修行時代に観た黒澤明監督の映画など)
以上、今まで疑問に思っていたことを今さんご本人から直接お伺いすることができました。
夕食にお誘いしていただくも、こちらの宿の都合上、次回の来訪を約束して再び黒石まで戻りました。

一日目の旅の宿は、黒石温泉郷の温湯温泉にひっそりと佇む飯塚旅館です。
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鄙びた趣の情緒あふれる外観は大正時代の建造物とのこと。
加温・加水を一切していない100%天然温泉は、鳴子や土湯とは違った独特な匂いがして、ぬるぬる感のある肌に優しいアルカリ性の泉質でした。
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幾度も補修が繰り返された古い時代の手摺を敢えて残した階上風景。
このフォルムからして大鰐の村井福太郎あたりの仕事かな、、
在りし日の古津軽に想いを巡らすうちに温湯温泉の夜は更けていきます...(続く)

青森県黒石市温湯温泉(2)〜こけし工人嶋津誠一さん工房「嶋津木工品製作所」を訪ねて


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