2012年08月27日

福島県中ノ沢こけしを巡る旅 荒川洋一さん宅訪問

お盆過ぎに3日間の休暇を取り、福島県まで出掛けてきました。 実家のある新潟県燕市から妹・麻依子の運転で旅がスタート。 燕三条から高速道路 (関越自動車道) に乗り福島方面へ、西会津〜会津若松を通過して、目的の猪苗代町に到着。 新潟から片道約3時間の小旅行でした。
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会津磐梯山の麓にある猪苗代湖の風景を横手に見ながら車に揺られること3時間、猪苗代町に到着。 途中立ち寄ったコンビニの裏手では、手ですくって飲めそうな透明の小川がサラサラと流れており、否応無しにも旅情が高まります。 他の風景も何枚か撮りましたが、基本ほぼ同じ景色です(笑) この旅の目的は、土湯亜系中ノ沢こけし通称 ”たこ坊主” の作者、荒川洋一さんにお会いすることです。
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猪苗代に入ってから何度か道に迷いながらも、なんとか荒川洋一さんのお宅に辿り着けました。 目立つ看板もなく普通のお宅です。 荒川さんは、私が尊敬している現役こけし工人の一人です。 訪問前日からドキドキしてましたが、穏やかで優しい荒川さん夫婦を前にして緊張の糸はすぐに解けました。
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奥さん手作りのお昼ご飯をご馳走になりました。 荒川さんの田んぼで育った 「ひとめぼれ」 のシソ巻きおにぎり。 同じく荒川さんの畑で今朝採れたナスときゅうりの浅漬け、カボチャ煮など、野菜中心の嬉しいメニューでした。 「遠慮しないで、食べてー食べてー」 ...と、とても優しい荒川さん夫妻。 次から次へと美味しい食べ物が出てきて、肝心のこけしの話題になかなか入れないという事態に...
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猪苗代名物 「シソ巻きおにぎり」 を三個食べ終わったところで (私は小食です)、メインディッシュの荒川さん作こけしの登場です。
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荒川洋一さんが師事された岩本芳蔵さんの話。 こけし製作の話 (荒川さんこけしの魅力でもある独自の淡く薄い染料の描彩方法や、顔描を木目の中心に持ってくる理由など) 。 こけし関連の文献を調べても比較的情報量の少ない他のたこ坊主作者 (福地芳男さん、三瓶春男さん、渡辺長一郎さん) の思い出話。 会津喜多方の雑系と呼ばれるこけしの作者、小椋千代五郎&小椋甚九郎こけしの復元に至るまでの経緯。 荒川さんのお孫さんがJETLINK近くの市川市の中学高校に通ってるお話などなど、貴重なお話を沢山お伺いすることができました。 やっぱり好きな工人さんがいたら直接お宅を訪ねてみるものですね。
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おにぎりを三個もいただいて、そろそろ目的のこけしを買わせていただこうと油断してたところ、これまた荒川さんの畑ですくすくと育った桃とトウモロコシが出てきました... とても甘くて美味しかったです。
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再び、こけしの写真。 荒川さんは、岩本善吉型たこ坊主を始めとして、酒井正進型の桔梗こけし、幻の中ノ沢産遠刈田こけしこと磯谷直行型、須賀川こけしこと松木朝臣型など、数々の型を製作されています。 小椋千代五郎・甚九郎型は最近製作されてないとのことでありませんでした。 今回は特別に新作の白い帽子のたこ坊主 ”夏の日”(仮称) も頒けていただきました。 齢70歳を超えられた現在でも他の追随を許さない、唯一無二のアーティスティックな作品群に圧倒されました。(ご飯の量にも圧倒されました) とはいえ、最近はさすがに製作量が減ってきているとのことですし、常時で取り扱っているお店もありませんので、入手が難しい現役工人のこけしのひとつに数えられます。
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帰り際に、ダンボール一杯に入った野菜をお土産に頂きました。 全てその日の朝に収穫した野菜とのこと。 自分たちの訪問に合わせて、荒川さんご夫妻が朝から野菜を収穫して、キュウリやナスを漬けて待っていてくださったそうです。 感謝の気持ちを通り越してどう対応してよいのかわからない心境に。 まさに ”良き作品は、良き心から生まれけむ” (詠み人私) です。 再び来年の冬か春にお伺いすることを約束して、後ろ髪を引かれる想いで荒川さん宅を後にしました。 (福島の旅は、もうちょっと続く)

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